前回は卒後2年目に練馬の歯科医院へ就職したところまでの話でした。

前述のとおり、当時4人のドクターが在籍しており、1日の勤務時間が
長時間になる一方で、週に3日の休みがありました。

当時の私にとってはその休みはまったく有意義なものではなく、ただの暇に
他ならなかったので、日曜日以外の残りの2日は他の歯科医院でアルバイトを
しようと決意しました。

そこで千駄木の歯科医院に勤務させていただくことになり、非常勤の歯科医師として
働き始めました。当時27歳ですね。

練馬の歯科医院では若手として先輩方からはじっくり見てもらってましたが、
非常勤の勤務先では基本的に即戦力として任される部分が多く、その点では
とても貴重な経験だったと思います。

またさらに他の歯科医院でも仕事をしたいという気持ちも芽生え、しばらく
すると、田町にある慶應大学の近くの歯科医院でもアルバイトで勤務するように
なりました。実はその歯科医院は、たまたまですが超有名人がたくさん
患者さんとしてくる歯医者さんでしたから、実名こそ出せませんが、そういう
面でもとても刺激的でもありました。またその歯科医院は当時でも珍しく
予約なしの体制でしたから、患者さんが突然来院されるという点で、ユニーク
でしたね。おそらくうちの実家の祖父や父たちも昔はそんなスタイルで診療を
していた記憶がありますが、私はその田町の歯医者さん以外では予約のない
スタイルでの診療は行ったことがありません。

そんな3件の歯科医院を掛け持ちしながら、ほぼ休みなく働き続ける生活を
3年ほど行い、どちらかといえば「質」よりもとにかく「圧倒的な量」を
こなした期間だったと言えなくもなかったかもしれません。

30歳を目前になると、さすがにそのような勤務体制にも限界を感じ、転職を
決意しました。

1つの歯科医院でじっくりと患者さんを診療させていただきたいと思ったからです。

当時の自分の求めてた歯科医院を数件、面接をさせていただきましたが
最終的に自分が「ここで学びたい」と思ったのが西新宿歯科クリニックでした。

しかし当時、私以外にも数名の方が応募されてたような状況で、面接の際に
院長(理事長)の草間先生からちょっとした試験を提案されました。

ある患者さんのレントゲン写真やその他の情報をもとに、私ならどのような
治療計画をたてるか?というものでした。

今考えるとそれが正解だともおもえませんが、当時の自分なりに思うことを
しっかりと答えさえていただきました。そして1週間程度採用の合格か
不合格かのお知らせを待つこととなりました。

正直、それほど自信があったわけではなかったのですが、運良く草間先生に
拾ってもらえることになり、30歳を迎える2000年1月より新たに
西新宿歯科クリニックに勤務することになったのでした。

草間先生との出逢いは、まさに運命的な出逢いだったと言っても過言では
ありませんでした。当時の私は、まさか20年後の50歳になっても、こうして
草間先生と密にお付き合いいただきながらご指導いただくことになるとは
想像もしてませんでした。

つづく・・・

西池袋TKデンタルクリニック