一滴の尿でガンがわかる検査
西池袋TKデンタルクリニックの武末です
数年前から話題にはなってましたが、いよいよ実用化
一滴の尿からガンが発見可能 という検査。
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/01/0127.html
通常の画像検査ではある程度の大きさにガンがなってからでないと
見つけられないという制限があったのに対して、この検査は「線虫」を
用いて15種類ものガンを見つけることができ、その精度も85%程度と
すごい画期的な検査の発見だと言えるでしょう。
しかしながら、私は医療人として懸念することが1つあります。
それは仮にこの検査で超早期発見されて「陽性」の診断を受けたとして
それを従来の検査で精査しても、まだ早期すぎて2次医療機関では
見つけられないという逆転の自体が起こりうること。
これと似たようなことが歯医者でも起こり得ます。
例えばA歯科医院では「虫歯はない」と言われたけど
B歯科医院では「虫歯がいくつかある」と言われるようなケースなど。
その場合、往々にして先に行ったA歯科医院は
「虫歯を見つけられなかったヤブ医者」のレッテルを勝手に
患者さんが貼ってしまうことがあります。
ちなみに当院では初期の虫歯のほとんどはすぐに治療をしません。
なのでA歯科医院の立場になることがしばしば。
理由は別の機会に述べますが、虫歯を一元的に観てないからです。
年齢、職業、性別、カリエスリスク、その部位 etc・・・
治療をした場合としない場合の想定を比較してどちらに優位性が
大きいか?ということがポイントです。
もっと言えばほとんどの初期虫歯は治療が不要な場合が多いですから。
話がずれていきましたが、今回の新しい検査は私の述べた混乱を
生じさせる側面も踏まえているものの、大変有用で画期的な検査法
であることも事実です。
まだ検査できる場所は限られているようですが、私自身も大変
興味がありますので、機会があれば検査してみたいと考えてます。