第119回 歯科医師国家試験の合格率61.9%から考える、これからの歯科医療
西池袋TKデンタルクリニックの武末です。
昨日、第119回歯科医師国家試験の合格発表がありました。
合格された皆さん、本当におめでとうございます。
国家試験という大きな壁を乗り越えた皆さんが、これから日本の歯科医療を支えていく存在になると思うと、とても頼もしく感じます。
今回は、この結果を見て感じたことを少し書いてみたいと思います。
母校の合格率について
毎年話題になるのは、やはり大学ごとの合格率です。
母校である
**東京科学大学(旧:東京医科歯科大学)**は、他大学と比べて特別良くも悪くもない結果でした。
この結果については毎年いろいろと考えるところはありますが、今回はあえてここでは触れないことにします。
医師国家試験との合格率の差
今回少し気になったのは、医師国家試験との合格率の差です。
医師国家試験の合格率は 91.6%。
それに対して歯科医師国家試験は 61.9% でした。
さらに前年との比較では
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医師国家試験:0.7ポイント減
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歯科医師国家試験:8.4ポイント減
と、歯科医師国家試験の方が大きく下がっています。
もちろん、これが絶対評価なのか相対評価なのかによって議論の前提は変わってきます。
ただ、長年言われてきた歯科医師過剰の時代から、不足の時代へ移行していく可能性も感じられる結果だと思います。
都市と地方で広がる歯科医療の差
もし歯科医師不足の時代になった場合、その影響は全国一律ではなく、都市と地方で大きな差が生まれる可能性があります。
実は私自身、熊本県人吉市にある実家の歯科医院を継承せず、東京・池袋で開業する道を選びました。
そうした立場だからこそ、これからの地方の歯科医療の将来については、どうしても気になってしまいます。
歯科衛生士の役割はさらに大きくなる
歯科医師の知人を見ていると、多くのご子息・ご令嬢が
親御さんと同じ歯学部へ進み、歯科医師を目指すケースが多いように感じます。
一方で、我が家の娘はその道を選ばず、歯科衛生士の道に進みました。
昨年国家試験に合格し、現在は専攻科へ進学。
大学に所属したまま、さらに臨床や研修を深めると同時に、研究や論文にも挑戦しています。
そんな姿を見ていると、歯科衛生士という職業の未来はとても明るいと感じます。
歯科医師不足の可能性がある中で、歯科衛生士の役割はこれからさらに大きくなっていくでしょう。
当院を支えるチーム
当院では、私を含め歯科医師が2名。
それに対して歯科衛生士は5名在籍しています。
彼女たちの存在なくして、当院の診療は成り立ちません。
そしてもちろん、受付スタッフや歯科助手の支えも非常に大きなものです。
歯科医療は、決して一人ではできない仕事です。
チームで支える医療だということを日々実感しています。
AI時代の歯科医療
AI全盛期と言われるこの時代ですが、歯科医療がすべてAIに置き換わることは、少なくとも今後30年はないと私は考えています。
だからこそ大切なのは、私たちベテラン歯科医師が持っている知識や経験を、次の世代へしっかり伝えていくことだと思います。
最後に
歯科医師国家試験の結果を見ながら、歯科医療の未来について改めて考える機会となりました。
歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付スタッフ。
それぞれの役割がこれからますます重要になっていくはずです。
私自身も、これまで学んできたことや経験を次の世代へ伝えながら、地域の歯科医療に少しでも貢献できるよう努めていきたいと思います。
そしてこれから歯科医療の世界に入ってくる若い世代が、
「歯科の仕事は素晴らしい」と誇りを持って言える環境を作ること。
それもまた、今の私たち世代にできる大切な役割だと感じています。





